2023年のWIPO及びTIPOにおける特許出願動向の比較分析
2024年12月11日
台湾特許庁は最近「2023年WIPO及びTIPOが受理した特許出願に係る動向の比較分析」を発表した。(https://www.tipo.gov.tw/tw/cp-885-985725-dca9b-1.html)
2003年、世界全体における公開済みPCT特許出願の分野別件数は化学分野(33,461件)が最も多く、電気工学分野(30,616件)は第2位であったが、2023年では電気工学分野が105,437件まで激増し、化学分野(58,102件)を上回った。台湾特許庁(TIPO)では、直近20年において公開済み特許出願の分野別件数は電気工学分野が常に首位となっており、2023年の電気工学分野は21,130件で、化学分野13,677件を上回った。しかしながら、化学分野の成長率は毎年平均4.6%と、電気工学分野(+2.0%)より高く、この点は世界全体の傾向とは異なる。
直近20年において米国が世界全体での化学分野の公開済み特許出願件数で首位をキープ、日本は台湾でリードを続ける
直近20年において米国は化学分野の公開済みPCT特許出願件数で世界首位をキープし続けており、件数は毎年12,100件を超える。日本は2003年の約4,600件から2023年には9,700件まで増加しており、2022年までは第2位を維持していた。
また、直近20年において日本は台湾特許庁(TIPO)における化学分野の公開済み特許出願件数で第1位をキープし続けており、2004年の約1,900件から2023年には約5,200件まで増加した。第2位以降は台湾及び米国が続き、2023年には台湾は約2,100件、米国は約2,700件まで増加している。また、中国と韓国が急激な伸びを見せており、2020年にはいずれもドイツを抜き、2023年では中国は約1,300件、韓国は約660件まで増加した。
2023年、米国が世界全体及び台湾において「医薬品」分野で第1位、日本は台湾において「高分子化学」、「表面処理」、「有機精密化学」分野で各国をリード
さらに詳しく見ると、2023年の世界全体における化学分野の公開済みPCT特許出願の主要技術分野である「医薬品」、「バイオテクノロジー」分野で、米国が38.3%~38.4%を占め第1位であり、次いで中国(19.7%~19.8%)が第2位であった。日本、韓国、ドイツはいずれも9%未満であった。
2023年の台湾における化学分野の公開済み特許出願の主要技術分野は「医薬品」、「高分子化学」、「表面処理」、「有機精密化学」の4分野であった。
2023年、世界全体の化学分野における上位25位の出願人は多種多様な産業分野をカバー、台湾における上位25位の出願人は半導体材料などの産業に分布
2023年、化学分野の公開済みPCT特許出願の出願人は、ドイツのBASF(371件)が首位で、米国カリフォルニア大学(328件)及びフランスのロレアル(296件)がこれに続いた。上位25位の出願人には、化学産業のBASFやLG化学、世界的な化粧品大手のロレアル、日用品大手のユニリーバや花王、また鉄鋼製造、電子材料、ディスプレイ材料、特殊ガラスなどの産業からの出願人及び学術機関が含まれ、そのうち10団体が日本、6団体が米国、2団体が中国であった。
2023年の台湾特許庁(TIPO)における化学分野の公開済み特許出願の出願人は、日本の日東電工(255件)が最多であり、次いで日本の富士フィルム(188件)、米国のアプライドマテリアルズ(179件)であった。上位25位の出願人は半導体材料、家電機器材料、ディスプレイ材料などの産業に分布しており、そのうち日本の出願人が大多数を占め計17団体であり、2団体が米国、2団体が中国であった。
引用元:台湾特許庁ウェブサイト(https://www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-985693-c165e-1.html)