2021年12月16日

弊所が代理した台湾後発医薬品企業「健喬信元（SYNMOSA）」は、台湾パテントリンケージ制度のParagraph IV声明（パラグラフ IV声明、当該新薬に対応する特許権は無効となるべき又は申請に係る後発医薬品は当該新薬に対応する特許権を侵害しない旨の声明）に基づく独バイエル（Bayer HealthCare LLC）から提起された侵害訴訟において、原告の請求を全面棄却する判決を得た（知的財産及び商事裁判所2021年民専訴字第8号）。本件は2019年8月に台湾でパテントリンケージ制度が正式施行されて以来、後発医薬品企業が先発医薬品企業からの訴訟提起を受けて防御に成功した初の事例である。判決の結果を受け、健喬信元は対象薬品Nexavarフィルムコーティング錠について、12ヶ月の独占販売権を獲得することとなった。

健喬信元は台湾パテントリンケージ規定に基づき、台湾FDAに対し新薬に対応する特許権2件（I382016・I324928）は無効となるべき、又は申請に係る後発医薬品は当該新薬に対応する特許権を侵害しない旨のParagraph IV声明を行ったところ、バイエルは2020年に健喬信元の後発医薬品はバイエルの2件の特許権の範囲に属するとしえて、侵害訴訟（ANDA訴訟）を提起した。

2021年11月30日、知的財産及び商事裁判所はバイエルの特許権2件におけるすべての請求項26項はいずれも無効であると判断し、バイエルの請求を棄却する判決を下した。

弊所は健喬信元の依頼を受け、本件対象特許に係る発明の内容、先行文献や関連文献の調査、無効理由の有無そして侵害判断等、各方面から詳細な検討を行い適切な助言や意見を提供した結果、今回の勝訴判決と言う結果を導くことができた。

本判決の詳細内容については、最新WisdomニュースVol.102（https://www.wisdomlaw.com.tw/m/405-1596-106264,c12252.php?Lang=zh-cn）を合わせて参照願いたい。なお判決全文は下部のリンクからダウンロードすることが可能である。