台湾 ファストトラック審査について

概要

2020年5月1日から商標のファストトラック審査が試行されています。一定の要件を満たす出願はファストトラック審査の対象になり、審査期間が約1~1.5ヶ月短縮されます。なお、ファストトラック審査は別途の申請や料金等は不要であり、以下の全ての要件を満たす出願は自動的にファストトラック審査の対象となります。

2020年5月1日から試行されていたファストトラック審査ですが、2021年5月1日から正式に施行・運用されることが決まりました(台湾特許庁2021年4月30日公布)。

ファストトラック審査の対象となる要件

  1. オンライン出願であること
  2. 非伝統的商標、証明標章、団体標章及び団体商標でないこと
  3. 指定商品役務が全て台湾特許庁の規範名称であること
  4. 料金納付方法が口座振替など指定のものであること
  5. 代理人ありの場合は出願と同時に委任状を提出すること

上記要件をすべて満たせば、ファストトラック審査の対象となります。このうち、1及び4については出願の代理を行う事務所側への要件であるため、出願人側としては、2、3及び5の要件を満たせば、ファストトラック審査の対象となります。ちなみに弊所では現時点において既に1及び4については条件を満たしており、3については規範名称に関する提案を行うことが可能です。

ファストトラック審査の効果

ファストトラック審査の対象となった出願は、通常の出願に比べ審査期間が約1~1.5ヶ月短縮され、出願からおよそ4ヶ月でFA(ファーストアクション)が通知されます。現在台湾の商標審査における平均FA期間は約5ヶ月であり日本と比べて短くなっていますが、ファストトラック審査を活用することで更なる早期権利化が可能となります。また、ファストトラック審査の対象となった出願については、出願から1ヶ月後に台湾特許庁DBの当該出願のページに「ファストトラック」と表示されます。

注意点

委任状に関し、出願と同時に提出しなかった場合であっても、台湾特許庁公表資料によれば、出願日から20日以内に提出すればファストトラック審査の対象となります。

優先権を主張する出願であっても、要件を満たせばファストトラック審査の対象となります。しかし、優先権基礎出願の指定商品役務は台湾特許庁の規範名称にないものが多く、ファストトラック審査を利用するためには優先権基礎出願の指定商品役務に含まれない商品役務を指定することになる可能性が高くなります。また、指定商品の補正は減縮に限られるため、場合によっては一部の指定商品役務は優先権の利益を享受できないことに注意しなければなりません。

 

 

 

 

登入

登入成功