台湾 意匠登録出願審査及び行政救済の流れ

出願

願書、明細書、及び図面がそろった日が出願日として認定される。外国語書面出願も認められており、先に外国語書面(日本語明細書など)を提出することで出願日が確保できる。この場合、翻訳文(中国語明細書)は出願日から4か月(2か月延長可)以内に提出しなければならない。

台湾では日本と異なり、明細書(中国語:説明書)の提出が必須である。この明細書には、意匠の名称、物品の用途及び意匠の説明を記載するが、意匠の名称のみは必須であり、物品の用途及び意匠の説明の記載は任意である。

方式審査

提出された出願書類が、法に定められた様式に従って作成されているか否かなどが審査される。願書の記載に不備がないか、必要書類は揃っているか(例えば委任状、優先権証明書)などについて審査がされる。なお現時点で意匠ではアクセスコードの提出は認められていないため、優先権を主張する場合は優先権証明書(カラースキャンした電子ファイルの提出可)を提出しなければならない。

実体審査

出願に係る意匠が、登録要件を満たすか(拒絶理由がないか)、審査される。

拒絶理由通知

出願に係る意匠に拒絶理由があると判断した場合、審査官は出願人に対し拒絶理由を通知する。出願人は拒絶理由に対して、意見書提出や明細書・図面等の補正をすることができる。在外者の場合、拒絶理由通知の応答期限は3ヶ月であり、この応答期限は1度に限り3ヶ月の延長が可能である。拒絶理由は複数回通知されることもある。

登録査定

審査において拒絶理由が存在しないか、または拒絶理由通知を受けた後の補正書又は意見書の内容により拒絶理由が解消したと判断された場合、審査官は登録査定を下す。

拒絶査定・再審査

審査官は、出願人から提出された意見書及び補正書の内容では拒絶理由が解消していないと判断した場合、登録すべきでないとして拒絶査定を下す。

出願人は拒絶査定に対して不服がある場合、査定書の送達後2ヶ月以内に再審査を請求することができる。再審査は初審査と同じく台湾特許庁で行われるが、初審査とは異なる審査官が割り当てられる。なお再審査請求と同時又は再審査の拒絶理由が通知される前であれば、明細書や図面等について補正をすることができる(なお、再審査における拒絶理由通知で指定された期間内も補正は可能)。

訴願、行政訴訟

再審査においても拒絶査定を受けた場合、拒絶査定送達から30日以内に訴願を提起することができる。訴願は台湾特許庁の上級機関である経済部より行われる。訴願の審理を経て棄却(拒絶査定が維持)された場合は、行政訴訟を提起することができる。行政訴訟は知的財産裁判所で第一審(事実審)、最高行政裁判所で第二審(法律審)が行われる。

登録

登録査定書の送達後3ヶ月以内に証書料及び1年目の登録料を納付することで、登録・公告がなされる。証書料及び1年目の登録料が納付されるとおよそ1~2か月後に登録証が発行される。なお登録料は福数年分まとめて納付することも可能である。

出願人は故意ではなく所定の期限内に証書料及び1年目の登録料を納付しない場合、納付期間終了後6ヶ月以内に2倍の登録料を納付すれば、登録証が発行される。

年金納付

登録料の起算日は登録日である。 2年目以降の各年分の登録料は期限満了までに納付しなければならない。数年分を一括して納付することもできる。登録料の変更があった場合であっても、その差額の追納を要しない。

権利満了

意匠権は、出願の日から15年を経過した日に存続期間が満了し、消滅する。

2020年11月施行の意匠審査基準の改訂内容

今回の改訂内容は主に(1)建築物の外装及び内装を保護対象として明文化、(2)画像・アイコン意匠に関する規定の修正、(3)分割出願の規定の緩和、(4)明細書及び図面の開示要件の緩和の4つとなっている。詳細については弊所ニュースレターを参照。

 

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