米マイクロン(Micron)による台湾聯電(UMC)への営業秘密侵害告訴事件 二審で聯電に2000万台湾ドルの罰金判決

2022年2月9日

中国企業晉華(Fujian Jinhua Integrated Circuit、略称JHICC)のために高度なDRAM製造過程に関する機密を窃取したとして、マイクロンが聯電を刑事告訴していた事件において、2021年に第一審の台中地方裁判所は、UMCのアシスタントマネージャーである戒楽天氏及び機密情報を提供した台湾マイクロン元マネージャーの何建廷氏、王永銘氏に対して4年6ヶ月から6年6ヶ月の懲役、聯電に対し罰金一億台湾ドルの支払いを命じる判決を下していた。しかし近日、第二審の知的財産及び商事裁判所は原判決を取り消し、戒楽天氏は無罪及び公訴を不受理とし、何建廷氏、王永銘氏は懲役6ヶ月から1年、聯電は罰金2000万台湾ドルに減額と、いずれも減刑された。

知的財産裁判所は、マイクロンは従業員と雇用契約、秘密保護及び知的財産に関する契約を締結することとなっており、何建廷氏、王永銘氏もまたマイクロンと秘密保護及び知的財産契約を締結していたため、会社の営業秘密保護に関する規定を知悉していたはずであるが、転職時の利益のために、何建廷氏は同社の営業秘密を削除・破棄せず複製・使用し、王永銘氏もまた同社の営業秘密を無断で複製し、DR25nmSのデザインルールのパラメーター値を提供し、聯電アシスタントマネージャーの戒楽天氏に漏洩したため、マイクロンの権益に甚大な影響を与えた、と指摘した。

また、戒楽天氏は、王永銘氏が同社のDR25nmSのデザインルール及びイオン注入等のパラメーターを持参して転職してくることを知っており、当該情報によって聯電のF32ナノメートルDRAM技術開発を推進したが、知的財産裁判所は、戒楽天氏は聯電と晉華両社の交渉と協力過程に関与していないとし、戒楽天氏が中国本土において本件営業秘密を利用する意図を有していたと認定するには不十分であると判断している。

知的財産裁判所は、聯電とマイクロンは既に和解していること、マイクロンは本件訴訟に対する告訴を取り下げたとともに非親告罪の部分について被告の量刑が軽くなった結果に対して異論を述べていないこと、何建廷氏と王永銘氏は罪を認め、聯電も積極的に補償を行う方針であることから、三者は今後起こりうるリスクを認識し、再犯の恐れはないと認定し、刑期を減刑した。

 

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