台湾東電化(TDK Taiwan)、営業秘密が流出される 約120億台湾ドルの価値のあるマイクロアクチュエーター技術が白紙に

2022年1月17日

台湾最大の総合電子部品サプライヤーである台湾東電化(TDK Taiwan)で営業秘密法に違反する事件が起きた。120億台湾ドル以上の価値があるとされる、携帯電話レンズ用防振モーターのマイクロアクチュエーター技術研究開発に関する情報を、張氏等4名の技術者が無断でダウンロードしたという。そのうち2人は競合他社である香港新科(SAE Magnetics)に転職する予定であり、その動機を「転職をスムーズにするため」と答えた。検察は捜査を終え、営業秘密法違反により張氏等4名を起訴する方針である。

台湾東電化は日本のTDK株式会社が1968年に台湾で出資して設立され、TDKグループで1番古い海外営業拠点である。現在、台湾東電化は同グループの電子製品の主な供給拠点であるほか、台湾最大の総合電子部品サプライヤーでもある。主に受動部品、ワイヤレス充電装置、電源回路、マイクロアクチュエーターなどの研究開発及び販売を行っており、台湾の桃園市楊梅区にある工場は研究開発の重点である。

検察での調査によると、台湾東電化は2019年のマイクロアクチュエーター(携帯電話レンズ用防振モーター)による売り上げが4億1200万米ドル、約120億台湾ドルに達した。会社内部データ分析資料、デザイン変更、耐衝撃性プロセスのパラメータ改善などの様々な文書、ファイル及び技術はいずれも台湾東電化のマイクロアクチュエーター事業部が、時間と資金を投入して研究開発した営業秘密であり、商業的・経済的価値を有する。

コンピューターのハードディスク読み取り部品デバイスの生産及び研究開発をしている香港新科は、TDKグループが香港で買収した子会社であるため、台湾東電化と同様にTDKグループに属するが、両社は独立して経営しているため、研究開発等のリソースを共有することはない。香港新科もマイクロアクチュエーター商品の展開を目指しているため、台湾東電化とは依然として競合関係にある。

 

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