2021年7月30日

2021年上半期における台湾国内の特許、実用新案、意匠の3種類の専利出願件数は合計35,364件、商標出願件数は46,379件で、昨年同期と比較してそれぞれ4％及び7％増加した。台湾国内出願人による特許の出願件数の増加は著しく、主に大企業による出願が21％増加した。その中で、台積電（TSMC）による出願は1,263件と初めて1,000件を突破し、外国出願人による出願を大幅に上回った。外国法人においてはQualcommが特許出願件数454件と最も多かった。商標出願件数は再び過去最高を記録し、台湾及び外国人出願人による出願件数はいずれも7％増加した。まとめると、2021年上半期の知的財産権の動向は、全体的に安定した成長を示したといえる。（台湾特許庁公布内容は こちら）

一、 専利出願

(一) 台湾出願人による特許出願件数は10％超の成長

特許が23,867件であり、台湾及び外国出願人による出願件数はいずれも前年同期比で増加した。台湾出願人による出願件数は13％の増加であり、外国出願人による増加割合を上回った。実用新案及び意匠においては、外国出願人による出願件数はそれぞれ22％及び5％増加した

(二) 台積電による特許出願件数は過去最高

台湾企業による特許出願件数の合計は7,650件と前年同期比で増加し、台湾出願人における特許出願総の約79％と、企業による出願が多数を占めている。 台積電による特許出願は1,263件と上半期で初めて1,000件を突破した。これは個別の出願人による特許出願件数の従来記録を更新し、台湾における研究開発のイノベーションにおいて重要な役割を果たしていることを示す。同時に台積電の成長率は237％に達し、特許出願に対して他の台湾出願人と比べてより積極的であることがわかる。その他、意匠出願では、巨鎧（Coplus）が59件と最多であった。

(三) 国立陽明交通大学の特許出願件数が各校において1位となる

台湾の大学・専門学校による特許出願件数は、前年同期比で僅かに減少した。陽明交通大学の特許出願が59件と首位であり、私立学校においては、崑山科技大学が26件と最多であった。また、2021年上半期における公立学校からの特許出願件数は前年同期比で4％増加し、割合も64％に上昇した。

(四) 研究機関による特許出願件数は小幅に増加

台湾の研究機関による特許出願件数は前年同期比で4％増加した。その中で、工業技術研究院による出願が101件と最多であった。

(五) 金融3業種による特許出願では中国信託が最も突出

台湾の銀行、保険、証券の金融3業種においては、特許は72件、実用新案は267件の出願があったが、特許及び実用新案のいずれも銀行業による出願が最も積極的であった。その中で、中国信託は特許（19件）又は実用新案（66件）のいずれにおいても、出願件数が金融三業種において首位であり、件数の多さが際立っている。

(六) 外国出願人においては、QualcommとHarry Winstonがそれぞれ特許及び意匠における出願件数が最多

台湾以外の国（地域）別で見ると、特許及び意匠では日本が積極的で、出願件数はそれぞれ6,044件及び512件であった。実用新案については中国が358件と最多であった。

二、 商標出願

(一) 台湾出願人による商標出願件数は再び過去最高を記録

商標の出願受理件数は46,379件であり、前年同期比で7％増加した。台湾及び外国出願人による出願件数はいずれも増加した。その中で、台湾出願人による商標出願は35,048件で、再び過去最高記録を樹立した。

(二) 台湾出願人は第35類、外国出願人は第9類への出願件数が最多

区分においては、台湾出願人は第35類（広告、企業経営及び小売り・卸売りサービス等）における出願が6,919件と最多で、16％増加した。外国出願人については、中国からの出願が2,333件と他の国より多く、区分では、第9類（コンピュータ及び科学技術用商品等）が2,115件と最多であった。 出願人別にみると、台湾出願人においては、世界各国にチェーン展開しているファミリーマートが前年同期0件から今年上半期は新たに145件を出願し首位、次いで食品業の統一企業が139件となっている。外国出願人においては、前年同期に出願のなかった香港の兔女孩が135件、及び游老集團（ULAO GROUP）が90件とそれぞれ1位、2位である。

(三) 産業別では農業・食品産業による出願件数が最多

産業方面では「農業・食品産業」における台湾出願人による商標出願が10,621件と最多で他の産業の件数を上回っている。また各産業において外国出願人からの出願件数を大きく超えた。外国出願人は「ヘルスケア産業」における出願が3,654件と最多である。

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